40代の男性がサッカーの試合後に死亡

「災害級の暑さ」は単なる比喩ではなかった。

埼玉県内のグラウンドで7月2日、県シニアサッカーのオーバー40(40歳以上)2部リーグの試合後に倒れた40代の男性が亡くなった。埼玉県シニアサッカー連盟から報告を受けた公益財団法人埼玉県サッカー協会によると、試合終了後のチームミーティングの場などで目立った異変はなかったという。

昼間のサッカーグラウンド
写真=iStock.com/SetsukoN
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試合開始は12時55分と最も暑さが厳しくなる時間帯である。前半開始時の気温は36.6度と高かったものの、湿度は36.4%と低かった。そのため「暑さ指数」と言われるWBGT(湿度、輻射熱、気温の3つを取り入れた指標)は13時時点で28.3℃。公益財団法人日本サッカー協会(JFA)が定めた「熱中症対策ガイドライン」にある「WBGT=31℃以上となる時刻に試合を始めない(キックオフ時刻を設定しない)」つまり中止勧告に当たらなかったため、試合を開始した。

シニアは30分ハーフで選手交代は自由。前後半1回ずつのクーリングブレイク(全員を強制的にテント内のベンチまたはピッチ付近の日陰で休ませる)も設けた。後半開始ごろの13時36分時点は気温35.3度、湿度36.8%。暑さ指数は27.4℃と下がっている。試合は14時06分に終了し、ミーティング終了した際にチームメイトが男性に「大丈夫か?」と声をかけたという。だが、男性は「大丈夫だ」と答えている。チームが解散したのが14時30分。それぞれマイカーなどで帰路につくなどした。

そしておよそ10分後。大会関係者が水飲み場で倒れている男性を発見した。