ワクチン後遺症患者からの怒りの声
翌25日の読売新聞、日経新聞、朝日新聞などは一斉に「今度迷惑をかければ辞める」と川勝知事の“辞職宣言”を大きく取り上げた。各紙が大きな見出しをつけたのは、「公人」の知事が辞職を示唆する発言自体、あまりにも安直で無責任だからだ。
つまり、川勝知事は、自身の発言が周囲にどのような影響を及ぼすのか全く気がついていないのだ。
川勝知事が、安直な“辞職宣言”をした24日の知事会見とほぼ同じ時刻に、東京・霞が関の厚労省記者クラブで、新型コロナワクチンの後遺症に苦しむ患者たちの団体が健康被害とともに現状の改善を求める会見を行っていた。この患者の中には、静岡県民15人も名前を連ねている。
新型コロナワクチン接種がスタートした2021年春ごろから、川勝知事は「公人の立場」で、65歳以上の高齢者らへ接種を強く働きかけた。
コロナ感染防止のための緊急事態宣言が発令される中、有名人の相次ぐコロナ感染死が伝えられ、政府は1日100万回のワクチン接種を目標にした。川勝知事を含めて各都道府県知事は大規模摂取会場を設置、より多くの人たちに積極的な接種を奨励した。
実は川勝知事はワクチンを1回も接種していない
新聞、テレビでは一切報道されていないが、コロナワクチン接種を奨励する同じ定例会見で、川勝知事はコロナワクチン接種を拒否していることを何度も述べていた。
つまり、川勝知事は一度もコロナワクチンを打っていない。だから、後遺症などに苦しんだことはない。
コロナワクチンの後遺症に苦しむ患者の1人、静岡市内の医療従事者の女性Aさん(38)は、右手の指先から肩までがまひする後遺症に悩まされ、障害第3級(神経系統の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができない)に認定されている。
Aさんは「わたしも川勝知事のようにコロナワクチンを打たなければよかった。川勝知事はワクチンの危険性を承知して打っていないのに、県民には接種を強く奨励した。ワクチン接種の後遺症被害者に対して責任を取ってほしい」などと怒りの声を上げた。
「公人」の立場であれば率先して接種をすべきなのに、なぜ、川勝知事はコロナワクチンを接種しなかったのか?
本稿では、コロナワクチン接種拒否に関わる川勝知事の不適切発言に対して、後遺症に苦しむ患者たちが「責任を取れ」と憤る理由を紹介するとともに、「人さまに迷惑をかけたら辞職」と宣言した川勝知事のあまりにも傲慢な姿勢を追及する。