日々の生活を健康的に過ごすにはどうすればいいか、作業療法士の菅原洋平さんは「目覚めたら、できるだけ早く窓から1m以内に行くといい。脳は朝の光を感知すると、約16時間後に眠くなるリズムがつくられる上に、体の疲れがとれて、肌のダメージと体重も減るなどたくさんのメリットがある」という――。

※本稿は、菅原洋平『あなたの人生を変える睡眠の法則2.0』(自由国民社)の一部を再編集したものです。

歯磨き粉のついた歯ブラシ
写真=iStock.com/PaulGulea
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夜に眠くなる脳をつくる効果的な方法

朝目覚めたら、まず何をしていますか? カーテンを開けて窓際に行く、ということをすでに実行していますか?

目覚めたら、できるだけ早いタイミングで窓から1m以内に入ってみましょう。

脳が朝の光を感知すると、成人では約16時間後に眠くなるリズムがつくられます。夜に眠くなる脳をつくることが重要ですが、そのための行動は、夜眠る前ではなく、朝から始まっているのです。

光によって夜の眠気をつくるには、目覚めた直後に脳に光を届けるのが最も効果的で、時間が経過するほど効果は低くなります。

必要な光の量は、2500ルクス以上です。室内照明では、光の強さは500ルクス程度、晴れた日の屋外では、1万ルクス以上です。室内でも窓から1m以内に入ることができれば、3000ルクス程度の光を脳に届けることができます。

過去の体験で、朝に明るいところに行くと、頭がさっぱりする、目が覚めると感じたことがあるならば、今回お話しする光の法則はあなたに役立つと思います。

というのは、光によって生体リズムが整うには、光感受性が高いかどうか、光をキャッチするOPN4という受容体を多く持っているかどうかが関係するからです。

これは遺伝子のタイプによるもので、光に反応しやすい人とそうでない人がいます。

ただ、光による生体リズムの調整に反応しにくかったとしても、まったく意味がない、というわけではないので、光によって調整されるメラトニンリズムの仕組みは、ぜひ知っておいてください。

光のリズムをうまく扱えると、こんないいことがあります。

・夜は自然に眠くなる
・朝起きたときに体の疲れがとれる
・肌のダメージが減る
・体重が減る
・起きる時間と眠る時間を好きなように設定できる

住環境や生活スタイルは様々です。どんな環境でも光のリズムをうまく扱えるように、朝に脳に光を届けると、夜に眠くなる脳の仕組みを少し詳しく知っておきましょう。