実は住みたい街1位は「特にない」、2位は「今住んでいる街」

そもそも論で言えば、誰にでも「住みたい街」がある、ということを前提にできるかという問題がある。そのためいい部屋ネットの住みたい街ランキングでは、フリーワードで「特にない」「今住んでいる街」といった回答が入力可能であり、投票先の駅、自治体が本人の居住地であった場合もそれは「今住んでいる街」として集計している。

その結果、いい部屋ネットの住みたい街ランキングの首都圏版では、「住みたい街は特にない」が駅ランキングで43.1%、自治体ランキングで49.8%と半数近くを占めている。さらに「今住んでいる街」は駅ランキングで15.4%、自治体ランキングで17.9%を占めている。そして首都圏以外の地域でも同様の傾向となっている。

実は、住みたい街の1位は「特にない」であり、2位は「今住んでいる街」なのだ。このことは、住みたい街ランキングと自治体の人口増加率の相関関係が非常に弱いことの背景にもなっている。

上空から撮影した住宅街
写真=iStock.com/kokouu
※写真はイメージです

これは住みここちランキングの住みここち評価の偏差値と人口増加率の相関係数は0.7程度とかなり高いことと対象的だ(詳細は、街の住みここちランキング2019<総評レポート>を参照)。

住み心地が良い街は「誰にとっても同じ」とは限らない

当たり前の話だが、街の評価とは「住みたい街」かどうかだけではない。自治体の一部では「住みたい街ランキング」の順位を行政政策のKPIに使っているところもあるようだが、あまり適切だとは思えない。

住みここちランキングのデータを使った因子分析の結果でも、生活利便性、交通利便性、行政サービス、静かさ治安、親しみやすさ、物価家賃、自然観光、防災といった8個の要素が抽出されている。

いい部屋ネットのランキングでは「住みたい街ランキング」「街の住みここちランキング」だけではなく、「住み続けたい街」「街の幸福度」といったランキングも発表している。

こうしたさまざまな角度から街を見ることが大切で、もっと大切なのは実際にその街を訪れることだろう。そして、住み心地が良い街とは、誰にとっても同じとは限らない。

それでも、知名度が高くなくとも、あなたに合った街はきっと見つかるだろう。

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