「住みたい街」のランキングはたくさんある
街に関するランキングは人気があるようだ。なかでも有名なのはすっかり世の中に定着している感のある「住みたい街ランキング」だが、筆者の企画した実際に住んでいる人たちの評価を集計した「いい部屋ネット街の住みここちランキング」とは顔ぶれが必ずしも一致しない。それはなぜなのだろうか。
「住みたい街ランキング」を最初に企画したのは、1998年の東京ウォーカーのようだが、最も古くからインターネットを使った継続的な調査を行っているのは2003年に調査を開始した長谷工アーベストだ。最も有名なSUUMOは2010年が最初の調査で2012年から毎年発表されるようになった(ただし2019年から調査方法が変更されている)。
筆者が大東建託賃貸未来研究所で企画した住みたい街ランキングは2019年から調査を開始し、今では全国版を含め47都道府県すべてで発表しており、同時に47都道府県すべての市区町村を対象に居住者の街の住み心地をランキングにした「街の住みここちランキング」も発表している。
こうしたアンケート調査を基にした街ランキング以外にも、不動産ポータルサイトでの問い合わせ件数をベースとした「買って住みたい街」「借りて住みたい街」ランキングを2017年からLIFULLが発表している。また、アットホームもポータルサイト上での検索数をベースにしたランキングを発表している。
これらのランキングは、同じような名前であっても調査方法が異なるためランキングの結果そのものが一致しない。
同じ「住みたい街」のランキングなのに結果が異なる
「住みたい街ランキング」と検索すると、SUUMOやLIFULL、いい部屋ネットのランキングが上位に表示されるが、結果は異なる。
例えば、2023年の首都圏版(駅ランキング)を見てみると、SUUMOでは1位:横浜、2位:吉祥寺、3位:大宮だが、LIFULLの買って住みたいでは1位:勝ちどき、2位:横浜、3位:平塚、借りて住みたいでは1位:本厚木、2位:大宮、3位:八王子となっており、いい部屋ネットでは、1位:吉祥寺、2位:横浜、3位:みなとみらいとなっている。
LIFULLは物件への問い合わせ数の順位なので、アンケート調査による投票数をベースとしているSUUMO・いい部屋ネットと順位が違うのは当たり前だが、同じアンケート調査であってもSUUMOといい部屋ネットで結果が異なる。