インサイトに市場を活性化してもらった
大塚明彦は、加熱する「プリウスVSインサント、ハイブリッドカー戦争」というマスコミによる報道を「ありがたい」と語る。2代目インサントの颯爽たる登場で、消費者の注目がハイブリッドカー市場に集まったのだ。
ホンダ・インサイトが189万円の低価格で登場して3カ月後の5月18日、注目の中、発売されたトヨタ・三代目プリウスの205万円という価格に誰もが目を見張った。発売前は250万円前後と目されていた。最後はインサイトへの対抗上、経営的判断も働いたようだが、その数字が何よりインパクトを持ったのは、燃費が1リットルあたり38キロと、2代目の35.5キロを上回る世界最高を更新したうえでの価格だったからだ。
発売1カ月で月間目標の18倍の18万台を受注。6月の新車販売台数の総合順位では首位常連の軽自動車を退け、普通車では1年半ぶりのトップへ。工場ではフル生産復活に沸き立った。しかし、開発責任者のCE(チーフエンジニア)、大塚明彦(46歳)の反応は冷静だ。
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