滝沢が大河ドラマで演じた源義経のような成り行き
27年間所属したジャニーズ事務所で副社長のポジションまで上り詰めてからの、いきなりの退社も私たちを驚かせたが、今年7月に入ってからの滝沢の吹っ切れたような、何者も恐れないようなやり方は、さらに想像を超えており、芸能界に関わる人はみな固唾を飲んで見守っている状態だ。これってやっちゃいけないことじゃなかったの……。大げさに言えば、市民たちが「自由・平等・友愛」を掲げたフランス革命もかくやと思わせるような勢いである。
滝沢が主演したNHK大河ドラマになぞらえれば、さしずめ令和の義経といったところだろうか。武将として優れた才能を発揮し、平家を滅ぼすという実績を挙げながら、兄の頼朝に疎まれ、鎌倉を追われた義経とイメージが重なる。義経は兄との対決を避け、九州の統治者になろうとしたが果たせず、少年時代を過ごした奥州平泉で再起を図っていた。地上派テレビという都を捨て、ネットを中心に活動するTOBEは、タッキーにとっての平泉なのか。
ジャニーズJr.のIMPACTorsが全員そろって移籍した衝撃
IMPACTorsについては、もともと滝沢が命名・プロデュースし、舞台公演「滝沢歌舞伎ZERO」にも出演させていたグループ。2023年5月に全員がジャニーズを辞め、滝沢との合流は規定路線と見られていた。TOBEのアーティスト発表第3弾としてアップされた予告画像には、ピンクのボールが写っており、ピンクの手袋をしてパフォーマンスするIMPACTorsだと、ファンたち(愛称はピンキー)は色めき立った。
その予想が現実のものとなったわけで、これまでSMAPもKing & Princeもメンバーが3対2に分裂し全員での移籍は果たせなかったのに、全員で合意しタッキーの下に集ったIMPACTorsの7人。ただ、もともとジャニーズJr.内では人気上位というわけではなく、CDデビューが発表されていたわけでもない。だからこそジャニーズ事務所も「出ていきたいなら出ていけば」ぐらいの温度感で手放したのだろう。
しかし、気になるのは一般人の転職やヘッドハンティングでも問題となる「競業避止義務違反」に当たらないのかということ。ただ、この義務が発生するのは、あくまで個人が会社との契約書や就業規則に捺印するときに禁じられていればという条件下なので、これまで発表されたメンバーにはその縛りはなかったのだと思われる。