今後の事業戦略は慎重に見極める必要がある
ビジョンプロの販売台数見通しが示されなかったのは、そうした側面に注目が集まらないようにするためなのかもしれない。需要飽和によってスマホ市場の価格競争は激化する。そうした環境変化にアップルは対応し、より高い成長を目指さなければならない。
今後、アップルはより小型、使用時間も長く気楽に利用できるゴーグル型端末を発表し、iPhoneに続くヒットを目指すと予想される。いまだ原型すら提唱されていないような真新しい最終商品を世界に提示し、人々をあっと驚かせる展開も想定される。
これまでアップルは後者の戦略をとることによって“ブルーオーシャン市場”を生み出した。未開拓の豊かな需要を創出し、育み、自社のシェアを拡大して、高成長を実現する。そこにアップルの、アップルたるゆえんがある。主要投資家がアップルの高成長を夢見る中、同社がどのように夢を実現するか、今後の事業戦略は慎重に見守るべきだ。