岡山県の岡山市や倉敷市では用水路への転落事故が後を絶たない。県の調査によると、2013年からの4年間で1562件の転落事故が発生し、108人が死亡している。なぜ事故はなくならないのか。岡山市出身のルポライター・昼間たかしさんは「柵の設置が進められているが対策は行き届いていない。長らく用水路の危険性が矮小化され、放置されてきた」という――。
岡山市内の用水路。
筆者撮影
対策のない用水路の典型例。日中でも人通りが少ないとはいえ、すぐ傍は住宅地だ。

岡山県で用水路への転落事故がなくならない理由

岡山県南部、岡山市や倉敷市は全国でも屈指の用水路が張り巡らされた地域である。全国の用水路の総延長は約40万キロあるが、そのうち岡山市だけで1%にあたる4000キロ、倉敷市は2000キロを占めている。

そもそも、なんで岡山県南部にはそんなに用水路が張り巡らされているのか。