リモート派の企業が挙げるメリット3つ

しかし、原則リモート派の企業もコミュニケーション不足解消のために週1~2日の出社を推奨するハイブリッド勤務やデジタル機器を駆使したコミュニケーション手段を取り入れるなど工夫している。大手食品メーカーも原則在宅勤務を推奨しているが、現在の出社率は20~30%程度という。同社の人事担当役員は「工場の従業員を除くと、週5日のうち3日は在宅している。部署によっても違うが、中には週1日出てくればよいという部署もある。在宅勤務でも生産性や効率性は下がっておらず、今の働き方を変えるつもりはない」と語る。

もちろんリモート重視を貫く理由は、デメリット以上にメリットが大きいからだ。リモート重視の企業が挙げるメリットは大きく以下の3つだ。

① デジタル機器の活用によるDXの加速と推進
② オフィス賃料やペーパーレス等によるコスト削減
③ 人材の定着と優秀人材の採用
在宅勤務をする女性
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新人は週3出社、入社4年目以降は週1日出社

従業員1000人以上の通信系企業の人事担当者はリモートワークでDXが一気に加速したと語る。

「オンライン会議が頻繁に行われるようになり、Zoom、Google Meet、Teams等の活用が進んだ。チャット等のコミュニケーションツールの活用や、インターネットを介した動画・音声データの配信で使われるストリーミング等を活用したメッセージデータも浸透した。出社の必要を減らす取り組みとして、紙書類からデジタル文書への変換、取引先との契約、見積もり、請求、支払いなどの電子化、社内稟議りんぎ資料の電子化など、今まで進まなかったデジタル化が一気に促進された」

同じく求人情報メディア大手のエン・ジャパン人財戦略室の平原恒作室長は「コロナ前からペーパーレス化も含めてDX化を推進していたが、一層のスピード感を持って対応し、加速された」と語る。同社はコロナ禍でフルリモートに移行し、その後、新入社員についてはOJTを含めた対面の良さを生かすため今年4月から週3日出社、入社4年目までの社員は週2日出社を実施。その他の社員は週平均1日出社というハイブリッド勤務を継続している。