いかなる場でもネクタイを備えておく

フランス料理のドレスコードは一概にはいえないのですが、コース料理を出していて、ソムリエがいるようなお店を目安に、カジュアルな服装は避けましょう。

バトラーは手が握られているとの要求を待っています。
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ジーンズ、襟のないシャツ、スニーカーなどは避け、男性はスラックス、襟のついたシャツ、ジャケット、革靴。念のためネクタイを持参すると安心です。

私の父は、いつ、突然の会食に招かれても良いように、常に紐タイを携帯していました。普通のネクタイよりも細めで、かさばらないので、持ち歩きに便利なのだそうです。

心配なら、もちろん事前にドレスコードをお店に問い合わせてもかまいません。

ナプキンを膝に広げるタイミングに余裕がみえる

フランス料理のレストランで、まず私たちが手に取るのはナプキンです。

「どのタイミングでナプキンを膝に広げたらいいのかわからない」という声をよく耳にしますが、ナプキンを広げるよいタイミングは、「全員が席につき、料理のオーダーを終えた後」。

これが、「料理をいただく準備ができました」というお店への合図になります。

本来は、主賓がナプキンを広げたら、それを合図として全員がナプキンを広げるものです。

ただ、主賓がいなかったり、いてもマナーをご存じない、またはお話の途中でナプキンを広げることをお忘れになっている場合があるので、「全員が席につき、料理のオーダーを終えたタイミング」でいいでしょう。

ナプキンは2つ折りにし、折り目を手前にして膝の上に広げます。そして手や口を拭うときは折り目の内側で拭うようにすると、拭った後の汚れた面が人目につかず、最後まで美景を保つことができます。

お手洗いなどで中座するときは、ナプキンを椅子の上にふわっと置く、もしくは椅子の背もたれに掛けておきます。そして最後、お店を出るときには、テーブルの上に無造作に置きます。

几帳面な人は抵抗があるかもしれませんが、テーブルに無造作に置かれたナプキンは、実は「おいしかったです」というメッセージなのです。

きちんとナプキンを折りたたむと、逆に「おいしくなかったです」というメッセージになってしまうので気をつけましょう。