商品を落としたロボットにもう1体が加わると…

私たちは、ロボットが店員として働いている際に、注文された商品を落としてしまうというミスをした状況で、失敗したロボットが1体のみで謝る様子と、別のロボットが現れて一緒に2体で謝る様子を動画で作成し、インターネット上でアンケートを集める実験を実施しました。

その結果、ミスをしたロボットが謝る際に、2体で謝るほうが1体で謝るよりも謝罪が受け入れられやすいことが明らかになりました。さらに、ロボットへの信頼感も向上し、商品を提供する店に対する不満も減少しました。以上のことから、複数のロボットが謝罪に参加することで、謝罪がより受け入れられることが確認されました。

ロボットの台数が謝罪の受け入れ度合いに影響するのであれば、人間の店員が失敗した場合にロボット店員が一緒になって謝罪したり、ロボット店員が失敗した際に人間の店員が一緒になって謝罪したりするといった行動をとることで、より謝罪を受け入れてもらえる可能性があります。将来のお店ではそのような連携をする人間の店員とロボット店員の姿が見られるようになるかもしれません。

2.ロボットやCGから褒められても運動技能は伸びる

「私は褒められると伸びるタイプ!」とよく言われますが、人間は他人から褒められると、脳内で金銭的報酬を得た時と同様の活動が起こり、運動技能習得も促進されることが知られています。

この知見に着想を得て、私たちは、人工的なエージェント(ソーシャルロボットやCGキャラクター)から褒められても人間の運動技能習得が促進されるかを確認するために実験を行いました。エージェントからの褒めでも、運動技能がより効率的に習得できるようになるとすれば、その知見は、教育やリハビリテーションの効果を向上させるエージェントの設計に役立つためです。

実験では、過去に行われた研究と同じように、参加者にパソコンのキーを画面の指示に従ってできるだけ素早くタイプするという課題を与えました。

ここで、参加者は6つのグループに分けられていました。まず、1体のロボットが練習の残り時間などを発話するグループ、次に1体のロボットが「頑張っていて偉いね」や「正確にタイピングできるようになってきたね」といった褒める発話をするグループ、2体のロボットが同じように褒める発話をするグループ(褒めの総量は1体の場合と同じに調整しています)、そして残りの3グループはロボットをCGキャラクターに変更したものでした。