固定金利は2~3倍高くなる可能性がある
一方で、固定金利は一度その利率でローンを組むと約束したら、その後はずっと変わらない。そのため、一番低い固定金利の時期を見極めることができればお得だ。
その点でいえば、1年ほど前なら日本の固定金利は歴史的な低水準だった。そのときにローンを組んでいた人は、いいタイミングだったかもしれない。
しかし、22年12月の日銀による事実上の利上げによって、住宅ローンの固定金利は瞬く間に上がってしまった。
変動金利も早晩上がると予想される。23年中には変動金利の支払利息の金額が、いままでより2~3倍は高くなるかもしれない。
そうなってしまっては、固定金利と変動金利はどちらが得なのかよくわからない。
いまの時期はとくに不動産会社の甘い言葉に注意しよう。
無理する持ち家より賃貸のほうが断然いい
住宅ローンのセールスにだまされないための基本を学んだところで、次に「そもそも家を買う必要が本当にあるのか」と自問することも大切だ。
一般的に日本人は持ち家志向が強いといわれている。もし筆者が「自分が住む家は持ち家と賃貸、どちらが賢い選択か」と質問されれば、「何も資産がない人は賃貸のほうがいい」と答えるだろう。
持ち家にはリスクがあることを考慮していない人が多い。筆者のように東京生まれで、昔から土地を持っているような人なら、都内に家があるのはわかるが、資産が何もないのになぜわざわざ持とうとするのか。
家を持つためにはお金が必要だ。もしお金を使わずにただ持っているだけでも、多少はお金の価値が下がるかもしれないが、そうはいってもたかが知れている。
しかし、土地の価値は下がるときは本当に下がる。仮に1000万円で土地を買ったとして、将来にわたってその額である確率はほとんどない。
値上がりする可能性もあるというのは、いままでがそうだっただけで、これからは値下がりする土地もたくさん出てくるだろう。
土地の価値が上がると思っている人は、根拠のない土地神話を信奉しているにすぎない。高度経済成長とともに地価が上がっていったから、今後もそれが続くと思い込んでしまったのだろう。