初代レッド役のオースティン・セント・ジョン氏自身も、ヒーローに感化された人物のひとりだ。CBSのエンターテイメント・トゥナイトやハフポストによると、氏は役を離れたのちに大学で学び直し、ワシントンD.C.エリアで救急救命士および消防士として活躍した。
ジョン氏はハフポストに対し、現場で救った人々がまれに、氏の顔に見覚えがあることに気づくことがあったと語っている。尋ねられて正体を明かすと、まさか元レッドレンジャーに救助されたなんて、と人々は愕然とするのだという。
日本の戦隊ヒーローは、アメリカのファンにも愛され続けている
1993年から始まったマイティーモーフィン・パワーレンジャーは3年間続き、人気の高さからさらに延長が決定。以来、日本で放映されている比較的新しいシリーズをベースに1~2年おきにリニューアルし、「パワーレンジャー」として続いてきた。
2021年にNetflixへの配信に切り替わってからも、シリーズは継続している。シーズン29を数える最新作では、日本で2019年から翌年にかけて放送された『騎士竜戦隊リュウソウジャー』をベースにした『パワーレンジャー・ダイノフューリー』が登場。2022年9月に最終話が配信され、すでに続編の制作がアナウンスされている。
同じくNetflixでは4月19日、30周年記念作品として『マイティーモーフィン・パワーレンジャー』がリリースされた。初代アメリカ版のブルーとブラック、そして敵役などのキャスト陣が再集結。ジュウレンジャーの魔女バンドーラをモデルにした悪の女性型ヒューマノイド「リタ・レパルサ」と再び対峙する。残念ながら初代メンバーのうち、イエロー役、グリーン役はすでに他界している。ガーディアン紙はNetflix版の製作が、亡くなった2人へのトリビュートになるのではないかと述べている。
30周年記念作品では2代目ヒーローたちがゲスト出演すると予告されており、配信前から海外メディアの注目を集めている。
高度な特撮技術とチーム戦ならではの人間ドラマを引っ提げ、30年前のアメリカに衝撃を与えた日本のスーパー戦隊シリーズ。数々の歴史とドラマを経て、今も昔もアメリカのファンたちに愛されているようだ。