女性も若い男性と結婚すると満足感が高い
次に女性の分析結果を見ると、非常に興味深い結果が得られています。
女性も若い男性と結婚した方が夫婦関係満足度が高まり、逆に自分よりも年上の男性と結婚すると夫婦関係満足度が低くなっていたのです(*3)。
この結果はやや驚きです。というのも、これまで多くの国で女性が若干年上の男性と結婚する傾向が見られており、この背景には年上の男性は相対的に経済力が高く、結婚するメリットが大きいと考えられていたためです。しかし、この組み合わせの場合、女性の結婚生活に対する満足度が相対的に低くなっていました。
これにはさまざまな理由が考えられますが、その一つに、女性の社会進出によって年上男性との結婚のメリットが低下した可能性が考えられます。
女性の社会進出が進み、男女間賃金格差が縮小した場合、経済力を求めて年上男性と結婚する理由は無くなります。それよりも若さを含んだ自分の好みの相手と結婚した方が夫婦生活に満足できると考えられるわけです。
自分よりも若い相手と結婚することのメリットは10年で消失
男女とも自分よりも年下と結婚した方が夫婦関係満足度が高くなるわけですが、これは結婚期間が長くなっても維持できるのでしょうか。
この点に関する分析結果を見ると、その答えは「NO」です。
男女とも年下との結婚によって得られる満足度のメリットが徐々に消失することがわかっています。結婚から10年も過ぎると、初期の高い夫婦関係満足度のメリットはほぼ無くなってしまうのです。
この背景に関して、ワンシェン・リー准教授とテラ・マッキニッシュ教授は踏み込んだ分析を行っていませんが、おそらく結婚期間が延びるにつれて相手に求めていた「若さ」が徐々に失われていき、結婚生活に対する満足度も低下していく可能性があります。
結婚期間が延びるにつれて夫婦関係満足が低下するのは日本でも見られる現象ですが(*4)、若い相手と結婚するとその減少幅が大きくなるという傾向は、非常に興味深い結果です。