ブランディングがうまくいっている人はモテる人と似ている

ブランディングがうまくいっている人は「モテる人」に似ている気がします。「アップル製品はクールでおしゃれ」といったイメージは、まさにブランディングが浸透した結果ですよね。

ユニクロはもともと山口県から出てきた量販店で、「とにかく安い」が売りというイメージでした。その既存イメージを、製品の質を上げると同時に著名人やモデルさんの起用、有名アパレルとのコラボ、リサイクル品の引き取りを展開するなどして、何年もかけて改善しました。「安いだけじゃない、おしゃれで機能性もある」、これもブランディング。

雰囲気がいい、センスがいい、なんとなく良さそうと多くの人が認知する=まさにモテる人。「ようこそ、サードプレイスのスターバックスへ!」では売れぬのだ。

では、モノが売れる順番を考えてみましょう。

① 顧客が「なんとなく」感じている不満がある……落ち着いてパソコンを開きたいが、なかなか適した場所がない。
② 顧客が「なんとなく」解決策に出会う……スタバならPCを開いていても居心地いいな。
③ 気づけば「なんとなく」感じていた不満が解決している……スタバに通えば自分の居場所がある。
④ リピーターになる、ファン化……「サードプレイス」のコンセプトがいつの間にか浸透している。

スタバがうまくいっている要素の1つは、店舗数が多く、「②顧客が解決策に出会う機会」が多いからです。大手はそうですよね。「なんとなく」出会えてしまう(広告含む)。そこから顧客の一部は③から④に移行していきます。

しかし、個人は「②顧客が解決策に出会う機会」をたくさんつくれません。どうしたらいいのでしょうか?

ソーシャルメディアのアプリケーション
写真=iStock.com/P. Kijsanayothin
※写真はイメージです

「私はこんな人です」活動でつながる人を増やす

ブランディングには、コストも時間もかかります。個人は、大企業のように場所や広告やメディアを使ってブランドを浸透させていくのは難しい。

そこで、個人は「私はこんな人です」活動をしていきます。セルフブランディングと呼ばれるものです。自らをメディア化し、プロモーションしていきます。力を持たない個人は「認知度の獲得」を地道にしていき、「②顧客が解決策に出会う機会」を増やしていくしかない。

セルフブランディングは手軽にできます。そのため多くの「個人でモノを売りたい人」はやっています。具体的には発信活動です。ブログやnote、SNSなどで発信しながら、つながる人を少しずつ増やしていきます(一般人で、発信をやらなくてもスモールビジネスがうまくいく人は天才だと思う)。

ここで大事なのが、セルフブランディングとは「つくられたイメージを出していく」ことではないということ。ありのままの自分から出る「価値」で勝負するしかありません。