「教育費に不安を感じる」。そんな小中学生の子を持つ親は8割超。『プレジデントFamily』編集部が調べたところ、親の時代に比べ、学費や通塾費、習い事費など教育費は高騰していることがわかった。ファイナンシャルプランナーの西山美紀さんがその背景や対策を解説する――。(前編/全2回)

※本稿は、『プレジデントFamily2023春号』の一部を再編集したものです。

大学・中高、習い事…学費は上がっている

「教育費に不安を感じますか?」

小中学生のお子さんがいるプレジデントファミリー読者に、こんな質問を投げかけたところ、実に約84%もの人が「不安を感じる」と答えた。その理由は多い回答から「これからかかる教育費が高いから」「子供にいい教育を受けさせたいから」……。

日本経済の低迷や近年の物価上昇もあり、子供の教育に実際どれだけかかるのかわからない、また、よりよい教育を受けさせてやりたいが、わが家はいくらかけられるのかわからない、といった親たちの悩みが回答から見え隠れする。

そこで編集部では、ファイナンシャルプランナーの西山美紀さんの協力を得て、実際にかかる学費について調べてみた。すると、親世代のときに比べて大きく上がっていることがわかった。

たとえば大学の学費。文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」によると、私立大学の平均授業料は1993年度は68万8046円だったが、2021年度は93万943円となり、約30年で35%(約25万円)以上増えている。

国立大学は1993年度は41万1600円。その後増加し、2005年度以降は53万5800円。その後現在まで増えてはいないが、30年前と比べると約30%増。

私立中学校の場合はどうか。東京都の調査によると、都内私立中学校の初年度納付金(平均額)は25年前の1998年度は84万1568円。2023年度は98万9125円で15万円近く上昇した。

上がっているのは、学費だけではない。文部科学省の21年度「子供の学習費調査」によると、公立小学校に通う子供の学習塾代は年間平均8万1158円と過去最高に。前回調査の18年度の5万3313円から約1.5倍に。全国平均で学習塾に通っていない子も含む数字だが、学費だけでなく塾や習い事などの学校外教育費も増えていることがわかってきた。

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