元ジャニーズJr.が実名・顔出しで性的虐待を告発した
ジャニー氏の性的虐待行為については、他にも複数の証言がある。つい最近も、元ジャニーズJr.の岡本カウアン氏が実名で証言したばかりだ(『文春オンライン』2023年4月5日)。そこでは岡本氏が中学卒業間近(15歳)の2012年3月の性的虐待について話しており、動画も残しているという。
以上を踏まえると、1960年代から2010年代までの約50年にわたってジャニー氏が常習的に未成年者に対して性的虐待を繰り返していた疑いが生じる。被害者がどのくらいの人数かはわからないが、デビュー人数やジャニーズJr.の規模を考えると数百人以上の可能性も十分にある。
これがジャニーズ事務所内における支配の構造だ。
テレビ業界では競合タレントを使わないよう圧をかけてきた
2019年7月17日、ジャニーズ事務所が公正取引委員会から「注意」を受けたことが報じられた。ジャニー喜多川氏の死去から8日後のことだ。具体的には、ジャニーズ事務所が民放テレビ局などに対し、元SMAPの3人(新しい地図)を「出演させないよう圧力をかけていた疑いがある」とされた。
ジャニーズが競合するタレントや退所したタレントに対して圧力をかけるという噂は、それまでもさまざまに囁かれていた。それがはじめて表沙汰となったのがこのときだった。
ジャニー喜多川氏が、直接“圧力”をかけようとしていたことを示す証言もある。『ミュージックステーション』のプロデューサーだった皇達也氏は、他のプロダクションの男性アイドルの出演を考えていた際、ジャニー氏から「出したらいいじゃない。ただ、うちのタレントと被るから、うちは出さない方がいいね」と、いわゆる“タレント引き上げ”をほのめかされたと話している(『週刊新潮』2019年7月25日号)。
これに対して皇氏が反論すると、結果的にジャニー氏は引き下がったとこの記事ではまとめられているが、実際のところ『Mステ』にはジャニーズと競合するアイドルグループが出演しにくい状況がいまも続いている。たとえばそれが『紅白歌合戦』にも出場したJO1やBE:FIRST、Da-iCEなどだ。そこで“圧力”は確認できないが、なんらかの不自然な状況──おそらく“忖度”が生じている。