なぜ元テレビ東京社員がMCに抜擢されたのか

おそらくかつてのフォーマットをそのまま持ち込んだのでは難しいだろう。むろんそのあたりは制作陣も心得ているに違いない。なにか時代に応じた部分が必要だ。

テレビプロデューサーの佐久間宣行さん
Netflixのドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界4」の配信記念イベントに出席したテレビプロデューサーの佐久間宣行さん(2022年7月5日、東京都渋谷区)(写真=時事通信フォト)

その意味で、今回オズワルド・伊藤俊介、さらば青春の光・森田哲矢とともに佐久間宣行がMCに加わるのは興味深い。

ご存じの通り、佐久間は2年前まではテレビ東京の社員。『ゴッドタン』『あちこちオードリー』などの演出家・プロデューサーとして名を馳せた。

そしてテレビ東京在籍時代から『オールナイトニッポン』のパーソナリティを務めて話題を呼び、フリーになった現在はさらに活躍の場を広げている。

お祭り騒ぎの時代が落ち着き、非日常から日常へと回帰したのが1990年代以降のテレビである。そこで台頭したのが、テレビ東京だった。『モヤモヤさまぁ~ず2』(2007年放送開始。この番組も最初は深夜だった)などに代表される「ユルさ」を武器にテレビの新たな流れをつくった。そこには、街中に潜む個性的な素人の存在が欠かせなかった。

報道によると、今回の『オールナイトフジコ』に出演する素人は女子大生に限らないという(「日刊スポーツ」2023年3月6日付記事)。

言い換えれば、広く魅力的な素人を募るということと受け取れる。深夜からどのような新しい「素人の時代」を生み出せるのか? そこに番組の行く末を占うひとつのポイントがあるように思える。

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