何のための「無制限保険」なのか
緒方議員は、無制限保険に「実際の実務の間にはかなりの乖離があり、消費者に誤認を与えている」と指摘しました。
まさにそのとおりで、損保会社が「無制限」を掲げて対人・対物保険を売り出しながら、判例を無視して被害者側に支払う保険金を出し渋る、そんな姿勢には強い違和感を覚えます。損保会社の対応のまずさが、結果的に、被害者の怒りを増幅させている現状を、真剣に考える必要があるのではないでしょうか。
消費者庁の担当者はこのとき「景品表示法」を挙げて答弁しましたが、同庁が公開している「事例でわかる景品表示法~不当景品類及び不当表示防止法ガイドブック」の中で以下のように解説されています。
〈不当表示や不当景品から一般消費者の利益を保護するための法律が「景品表示法(正式名称:不当景品類及び不当表示防止法)」です。景品表示法は、商品・サービスの品質、内容、価格等を偽って表示を行うことを厳しく規制するとともに、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額等を制限することなどにより、消費者のみなさんがより良い商品・サービスを自主的かつ合理的に選べる環境を守ります。〉
果たして、自動車保険における現在の「無制限」表示は、「景品表示法」上、どう判断されるべきなのか。引き続き、国会での議論と消費者庁の動きにも注目したいと思います。