憲法9条は日本を「危険な軍事国家」にしている

グローバル・ファイヤーパワーが発表している2023年の「世界軍事力ランキング」で、日本は8位にランクされている。つまり、日本は世界有数の軍事力だと評価されている。

しかし、その自衛隊は「危なすぎて使えない軍隊」のまま放置されている。

その上、「敵地攻撃」までが検討されている。これは日本国民にとって破滅的な危険を孕むだけでなく、国際社会に対しても無責任きわまる妄動である。

「憲法9条を改正したら日本は軍国主義に戻る」などと「護憲派」は主張している。しかし、これは大嘘だ。憲法9条こそ、現在の日本を、軍事力の濫用を防げない「危険な軍事国家」にしている。

自民党改憲案でも問題は同じ

憲法9条を温存し、自衛隊明記だけ加える「安倍改憲案」を踏襲した現在の自民党改憲案でも、根本的問題は何ら解決されない。

日本の安全保障体制の欠陥を是正するには、最低限、9条2項の明文改正が必要だ。

その際は、自衛のための戦力の保有と行使を憲法に明記し、文民統制・国会事前承認・軍法根拠規定などの戦力統制規範を盛り込むことが必須だろう。

自衛隊員が危険にさらされている

こうした日本の現状は、日本国民と国際社会を危険にさらすだけでなく、自衛隊員の身を危険に追いやっている。

法的統制がないなら、自衛隊は自由に武力行使できると思うかもしれないが、大間違いだ。

普通の国の軍隊であれば、国内軍法体系によって軍隊を統制している。そのため、一定の例外的禁止事項さえ守れば、軍隊は戦闘で殺傷行為をしても免責されることが法的に保障されている。

つまり、戦場で相手の兵士を殺傷しても、それによって罪に問われることはない。

しかし、日本にはそうした軍法体系(交戦法規と軍事司法制度)が存在しない。そのため、自衛隊員には戦闘における殺傷行為の法的免責保障がない。

その結果、自衛隊員が防衛出動で実際に戦闘した場合、処罰される可能性が出てくる。

南スーダンに出発する陸上自衛隊第11次隊の先発隊員ら。2016年11月19日、青森市の陸自青森駐屯地にて
写真=時事通信フォト
南スーダンに出発する陸上自衛隊第11次隊の先発隊員ら。2016年11月19日、青森市の陸自青森駐屯地にて