会社のリソースを利用して、自分のやりたいことをやる

起業家のように企業で働く人たちの発想は、会社のブランド、人、その他のリソースを自由に利用して自分のやりたいことができる、ということだ。

・何かチャレンジして、たとえ失敗してもクビにされることはない
・毎月決まった給料が払われるので生活の心配をしなくていい
・ローンも組める、したがって不動産の購入もできる
・上司や仕事が合わなくても、社内で「転職」できる
・社内でプロジェクト提案し、承認されれば「起業」もできる

どうだろう。実際に起業することと比していかにメリットが多いかお分かりになるだろう。では、そのように企業で働くためにはどのようなことが必要なのか、その中でも重要ないくつかの点について見ていこう。

ベンチャーと大企業のお見合いの場「モーニングピッチ」

(1)志をもつ

まず必要なのは、自分がどのような働き方がしたいか、どうしたら業績を上げられるか、よりも先にこの組織を使って世の中で何を成し遂げたいのか、どう社会に貢献できるのか、を考えることだ。

ベンチャーと大企業のマッチングイベント「モーニングピッチ」を提唱した野村證券の塩見哲志さん、一緒に取り組み発展させた、デロイト トーマツ ベンチャーサポートの斎藤祐馬さんらは、「アベノミクスで大企業がどんなに利益を出そうが、ベンチャーが次々と起こって世界に羽ばたいて行かなければ日本経済の将来は危うい。そのためには大企業とベンチャーのお見合いの場、登竜門を作ろう」という志からスタートしている。

自分の仕事やキャリアの話は個人の勝手な話で人が必ずしも協力してくれるとは限らない。しかし、企業全体、日本経済、という大局観を持った話はそこに関わるすべての人に響き、共感を生み、協力を取り付けることを可能にするのだ。