ドリル学習にひと手間かける

親御さんが小学生の頃、こんな先生がいませんでしたか。「この問題では子どもが3人出てくるね。はい、これ子どもね」と言って、黒板に雑に丸を3つ描く。すると生徒のなかに「子どもに見えないよ〜!」「先生、ヘタクソ〜」と文句を言う子がいたものです。

先生はおそらくわざと、「それ子どもに見えないよ〜」という経験をさせて、抽象的に理解する力を伸ばそうと考えていたのでしょう。これは、ご家庭でも真似できるテクニックです。

西村則康・辻義夫『理系が得意になる子の育て方』(ウェッジ)
西村則康・辻義夫『理系が得意になる子の育て方』(ウェッジ)

年齢の早い段階で抽象的なものの見方や捉え方ができるようになれば、算数という科目の理解はぐんぐん進みます。理系への道も開かれやすくなります。それで親御さんはたくさん問題を解かせることをよしとしてしまうのですが、まだ時間がたっぷりある幼少期こそ、たくさん解かせることよりも、一つひとつの学習に手をかけてあげてほしいと思います。

ドリルをたくさん与えるだけか、そのドリルでどんなことを学ばせたいのか・どこが大事なのかを認識したうえで与えるかで、お子さんの学びは大きく変わってきます。

その点でいえば、各問題に「ねらい」と「指導のポイント」が解説されている『小学校で伸びる子ドリル』(受験研究社)は、おすすめできる教材です。親御さんが解説に目を通したうえで使うと、効果が倍増することは言うまでもありません。

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