中国からは化学製品や車両を買っている

中国のロシアに対する輸出の増減率を財別(HSコード)に寄与度(その項目が全体の変化率にどのくらい寄与しているかを示す指標)分解すると、寄与度が最も高かったのが「第6部〔化学工業(類似の工業を含む)の生産品〕」だった。輸出総額の前年比12.8%増のうち4.3%ポイントと、全体の増勢の3分の1を占めた(図表2)。

【図表2】中国の対ロ輸出の推移
出所=中国海関総署

次に寄与度が高かったのは「第17部(車両、航空機、船舶及び輸送機器関連品)」であり、3.5%ポイントだった。さらに「第7部(プラスチック及びゴム並びにこれらの製品)」が2.5%ポイントと、それに続いた。

こうしたことから、中国からロシアへのモノの輸出は、基本的に化学品と車両などが中心だったことが分かる。

トルコからの輸出が激増した理由

他方で、トルコのロシアに対する輸出の増減率を財別に寄与度分解すると、寄与度が最も高かったのが「第16部(機械類及び電気機器並びにこれらの部分品並びに録音機など)」だった。

この第16部が、輸出総額の前年比61.8%増のうち19.1%ポイントを占めた(図表3)。電動機や建設機械、工作機械などの品目が堅調だった可能性がある。

【図表3】トルコの対ロ輸出の推移
出所=トルコ統計局

次に寄与度が高かったのは「第6部(化学品など)」で、12.0%ポイントだった。それに続くのは「第7部(プラスチックなど)」であり、寄与度は7.4%ポイントだった。「第4部(飲食品など)」や「第3部(油脂など)」も堅調だったが、トルコからロシアへの輸出は、基本的に機械類と化学品が中心であったことが分かる。

つまり、中国やトルコはロシアに対して、主に化学品を輸出している点で共通している。中国の場合はそれに車両などが加わり、トルコの場合は機械類が加わる。

トルコの機械類には、いわゆる半導体デバイスも含まれており、ロシアが国内でモノを生産するうえで必要となる半導体をトルコから多く調達している可能性を物語る。

米国は、軍需品に転用可能なモノの輸出を警戒している

米国は、こうした中国やトルコから輸出される化学品や機械類が、軍需品に転用されることを警戒している。

米財務省のブライアン・ネルソン次官(テロ・金融インテリジェンス担当)は2月2日から3日の間、トルコを訪問して政府や企業の幹部と会談し、そうした製品をロシアに対して輸出しないよう、連携を促した。