売れるための型にハマろうとする芸人は売れない

平井精一『「芸人の墓場」と言われた事務所から「お笑い三冠王者」を生んだ弱者の戦略』(日本能率協会マネジメントセンター)
平井精一『「芸人の墓場」と言われた事務所から「お笑い三冠王者」を生んだ弱者の戦略』(日本能率協会マネジメントセンター)

「三冠を獲りたい」という型にハマってしまうと、それ以上の結果を出すことはできません。

頑張ってやり続ければ、結果が出たときにまわりが評価してくれる。そういうスタンスでいるほうが、最終的に良い結果に繋がると感じています。

芸人にも同じことが言えます。

よく、芸人から「キャラを付けたほうが良いですか」「どういう漫才をやったらいいですか」と聞かれます。でも、そうやって「売れるための型」にハマろうとする芸人は、売れないと私は考えています。

「まずは好きなこと、面白いと思うことをしてみよう」

「最初から型にはめようとするのではなく、まずは好きなこと、自分が面白いと思うことをしてみようよ」と私は言います。くわえて「それに対して意見をもらって変えていくほうが、ストレスなくうまくいくよ」と言うようにしています。

個性的な芸名や衣装は、もちろんそれ自体を否定するものではありませんが(実際、SMAでもたくさんいます)、狙って付けた場合には、最初は良いかもしれませんが、後々自分の首を絞めることになるし、いろんなネタができなくなってしまうのです。

自分を型にはめることなくただ愚直に、実力を確実に付けていくこと。

お笑いでもそれが成功の秘訣ひけつだと私は思います。

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