ルフィの手下が現場にいた可能性

【土井氏】フィリピンから指示していたルフィという首謀者も、ネットで集めて使い捨てにするつもりだったかもしれないが、闇バイト求人で集めた連中なんか信用できません。強盗先で貴重品を盗んで横取りし、「ありませんでした」と言うこともできる。

そうした裏切りを防ぐために、(強盗で現場に行く)チームの中の一人は、子飼いの指示役を同行させた可能性は高い。

ただ、奪った金銭や貴重品の受け渡しまで、緻密に考えてやっているか現時点では不明です。

フィリピンの収容所にいる4人も、長年犯罪社会に関わってきたようには見えない。すでに、名前も割れているが、そんなに有名な前科も出てこない。

事件の報道を見ていて、細かい指示を出していないことから、指示役も素人と思えるんです。

テレグラムよりも安全な連絡方法

――警察は実行犯たちの携帯を押収し、「テレグラム」などを解析した。

今回、警察の捜査で「たどる」ことができたのは、逮捕された者の携帯を解析して、メールのやり取りで、ルフィが出たからですよね。ここも甘い。

テレグラム、WhatsApp、Facebook、メッセージ、その他のアプリのアイコン
写真=iStock.com/stockcam
※写真はイメージです

私も昔は「テレグラム」や「シグナル」を使ったことはあります。確かに、両アプリとも一定時間経過したら自然にメッセージは消去されますし、スクリーンショットを撮ろうとすると、画面が真っ黒になります。

だから、俺らは他の携帯で画面ごと撮影していました。だから、メッセージが自動消去されるといっても、あまり信用していなかった

まあ、そうした犯罪をするとき、いちばん安全なのは、携帯通話です。通話記録は残りますが、内容は残りません。

今回は、フィリピンから電話してたどられたわけですが、ここに日本国内の総指揮役の手下を「いっちょ噛み」させておけば、フィリピンまでたどれなかった。

おそらく、ルフィと指示役は親しい関係じゃないと思います。指示役もアタマからルフィに期待していたわけじゃないでしょう。