家賃8万円→6万円→4万円と下げると見えてくる景色

だからこそ、いくらで暮らせるかという基準を、日々の暮らしの中でどんどん引き下げていく。この作業が必要になります。

たとえば、現在は家賃が月8万円する部屋を借りているのなら、とりあえず家賃が月6万円の部屋に引っ越してみる。そして、その暮らしの中で持ち物を減らすなどして、その翌年には家賃4万円の部屋に引っ越してみる。

すると、「いまの職場で働き続けるかぎりはこれ以上家賃を下げられないけど、勤務地を変えればもっと安くすませることもできそう」など、見える景色が変わってきます。

他にも、現在は食費に月5万円かかっているのなら、料理の勉強をして自炊する日を増やすなど、食費を月3万円ですむように努力してみる。「料理の腕が上達すれば、もっと食費を下げても生活の満足度は下がらない」と気がつくかもしれません。

そうやって、「いくらで暮らすのか?」を目標に日々を過ごす。すると次第に、暮らしにかかるお金が減っていきます。同時に、最低限いくらあれば生きていけるのかという生命維持コストも、自分の中で腹落ちするようになっていきます。

やりたくない仕事を続けると、浪費も続く

お金の不安をなくすには、お金を稼ぐことも欠かせません。

なにおれ『31歳、夫婦2人、月13万円で、自分らしく暮らす。』(大和出版)
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どれだけ生命維持コストを下げたとしても、完全にゼロにすることはできないからです。巨額の金融資産でもないかぎり、いくらかのお金を稼ぐ必要はあります。

ですが、お金を稼ぐことには大きな落とし穴があります。

この落とし穴の存在を知らないと、お金をどれだけ稼いでも、それほど安心感は得られません。

その落とし穴とは、「やりたくない仕事でお金を稼ごうとすること」です。

お金の不安があるからとお金を稼ごうと頑張ったとしても、それがやりたくない仕事であればむしろ逆効果になります。

なぜなら、やりたくない仕事をしている時間が長くなればなるほど、浪費も増えるからです。

やりたくないことに時間を費やした分だけ苦痛を感じます。そして、その苦痛を和らげるには手軽に快楽を得られる浪費が必要になるものです。すると、生命維持コストが高くなり、お金の不安がずっと付きまとうことになります。

逆をいえば、やりたくない仕事をやらないというだけで、生活にかかるお金はいまよりもずっと少なくなります。毎日お酒を飲んだり、服の買い物をしたりするのも、それは自分が本当に求めている欲望ではなく、ただやりたくない仕事をやることで感じた苦痛を和らげるためのものかもしれません。ですが、やりたくない仕事を続けていたら、そのことに気がつくことすらできません。

だからこそ、やりたくない仕事に費やす時間を極力減らし、その代わりに、やりたくないこと以外でお金を稼げるように努力すること。これが、少ないお金でも楽しく暮らす上では欠かせない要素のひとつになります。

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