「了解」は×、「承知」だけでは△

上司からの仕事の指示は、必ずしも具体的であるとは限りません。「ちょっと、これをあれしておいて」という指示も、あながち冗談とは言えないでしょう。

例えば「明日までに書類を用意して」と言われた場合。「はい、喜んで!」とばかりに元気よく「承知しました」とだけ答えてはいけません。ちなみに、「了解しました」は同僚や部下に対して使う言葉なのでNG。「承知」自体は間違っていません。

何がダメなのかというと、「明日まで」が明日の何時なのかを確認していないからです。「明日」といっても、始業から終業まではかなりの幅があります。

始業までにであれば、今日残業しなくてはなりません。お昼までにであれば、始業からすぐに取り掛からなくてはなりません。あなたの作業スケジュールを立てる上で、タイムリミットは非常に重要な情報です。

「承知いたしました。明日の18時まででよろしいでしょうか?」と聞きましょう。依頼内容を注意深く見て、漠然とした部分があればその場で確認します。

タイムリミットを双方で共有し、時間内にきちんと提出する姿勢は、上司の信頼につながります。

手にのった丸い時計のイラスト
写真=iStock.com/Pavel Muravev
※写真はイメージです

デキる部下は知っている仕事の断り方

いくら上司の指示だからといって、どうしても引き受けられないこともあります。もし、帰り際に大量の仕事を頼まれたとしたら、さすがに断りたくもなります。断る断らない以前に、コンプライアンス上の問題でもありますが。

無理難題を押し付けられた時、「無理です」「できません」と答えてしまうと、反抗的で突き放した印象になり、良好な関係を保てなくなる可能性があります。その場合は、「申し訳ございません。本日は所用があるのですが、明日の午前でしたら作業できます」と答えましょう。

できない理由を「所用」とシンプルに伝え、「明日の午前」という代替案を示します。そうすると、依頼自体を拒否する態度ではなく、今できないだけで何とかやり遂げたいという誠意ややる気を見せることができます。

上司におもねるためではなく、これまで築いてきた良好な関係性を保ち、仕事をしやすくするためのコミュニケーションのコツととらえてください。