集めた金は計48g…ざっと30万円近くの価値だ

オーストラリアでは、500円玉大の金がゴロゴロ出るらしい。だから採掘場で同士と知り合って日本から来たと話すと、向こうは延々と自慢話を繰り広げる。こちらの武器は金属探知機と5600円で買ったくわだ。ショベルカーを豪快に操る彼らとは勝負にならない。

現地で出会った仲間が採った巨大な金のレプリカ
写真提供=河浚泰知
現地で出会った仲間が採った巨大な金のレプリカ。本物には触らせてくれなかった

それでも、必死に巨大ゴールドを夢見て、土と向き合う。薬莢や鉛玉や金属くずが見つかるだけだが、懲りずに何度も何度も。仕方なく、パンニング皿と簡易ツルハシと水用ポリタンクを購入し、乾燥荒野の乾燥川跡を掘り、かろうじて砂金粒を数粒ゲットできた。

大地には、あちこちに掘った跡がいっぱいあり、穴ぼこだらけだった。これは、欲望の穴だ。隣には山のようにいくつもの土が盛られていた。ツルハシはものすごく重たくて、記念に日本に持ち帰ったが重量オーバーで2万円払った。

妻は遠征時にこんなことを言った。

「砂金掘りは生活のプラスになるわけではないよね。あなたが楽しそうに話して、やっているのを見ているのが幸せなのよ」

仲間が採ったゴールドの計量
仲間が採ったゴールドの計量(写真提供=河浚泰知)

これまで、砂金掘りの道具購入や移動費、滞在費などにかけた金額は、数百万円は下らない。一方、7年間で集めた金は計48gだ。でも精製するのには費用がかかる。先日、2人で御徒町まで行き、精製したら43.7gに減ってしまった。ざっと30万円近くの価値だが、収支にしたら完全な赤字だ。仲間たちは、妻にゴールドの指輪を作って贈っていた。自分もピアスを作る約束をしていたが、妻はちょうど歯の治療をしており、その30万円は被せ物のセラミック代に変貌した。

実は、どこの川にも砂金はある。あるけれど、広大な面積に分散されていて捕獲は難しい。一定程度砂金が集まっていないと採金は難しい。

10年前は文字通り手探りで、あの川この川を探査したが、最近やっと砂金の寄せ場(※)が見えてきたところだ。

※金を含む岩石などが侵食を受けて川に流され、粒子同士が結合しながら金に結晶し集まる岩の下や割れ目のこと。

砂金掘りは、男のロマンだ。1日1gではしょうがない。2023年は大きいサイズ、1日5g以上を採れる能力、そして幸運が欲しい。

70代オーバーとなる今後は、遠征がしんどくなければ、この先も北海道へ。しんどくなったら近場の丹沢あたりか足を延ばして山梨県富士川水系へ。まだアメリカ行きも諦めてはいない。一丁前の収穫を得て、いつの日か妻に「やったぞ」と胸を張りたい。

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