自社商品を売るために、どのようなマーケティングを展開すべきか。グロースマーケティング事業に取り組むソルブレイン社長の櫻庭誠司さんは「ウェブ施策がうまくいったことに満足して、最終的な利益につなげられない企業が多い。この『部分最適の罠』にはまらないことが重要だ」という――。

※本稿は、櫻庭誠司『未来をつくるグロースマーケティング』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

資料を前に思考停止しているビジネスパーソンたち
写真=iStock.com/kazuma seki
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成功の方程式はないが、失敗の典型例はある

モノを売るための最適な仕組みは、時代によって変わる。これを逆からとらえるなら、「永久不変のマーケティング成功の方程式」などはないといえます。

企業ごとのビジネスモデルに紐づく独自のバリューチェーンの中に潜む、それぞれのボトルネックを解消し、モノを売るための仕組みをより洗練させ、増益へとつなげていくのが、マーケティングです。

企業の現状や課題によって成功の方程式はさまざまですが、一方でマーケティングにおける失敗には、典型例といえるものがあります。それを知り、意識的に回避すればマーケティングの成功率を高めることができるはずです。

大きくは、次の三つの理由でつまずいている企業が多いです。

失敗の理由① 「部分最適の罠」にはまってしまう

マーケティングに関して、プロモーションや市場調査といった部分的なとらえ方をすると、必然的に「マーケティングの成功」もまた部分最適にとどまります。

そして、こうした狭い範囲での成果にばかりとらわれ、一喜一憂してしまうと、企業活動の本来のゴールである最終利益に意識が向かなくなりがちです。これを私は「部分最適の罠」と呼んでいます。

初めてマーケティングに取り掛かろうとする企業は、数値が見えやすいウェブ施策から取り掛かることが多いのですが、数値に踊らされないよう注意が必要です。

ウェブサイトを軸としたマーケティングにおいてはCPA(顧客獲得単価)やCVR(コンバージョンレート)といったデータが具体的な数字として出てきて、しかも容易に取得する事が可能です。

本来、これらの数値は事業活動全体でみると一部の指標でしかないのですが、そこにフォーカスして事業全体のKPI(重要業績評価指標)として用いてしまうケースを、さまざまな企業で見てきました。

そうなってくるとそこで設定した「KPIの達成=事業目標の達成」になって事業活動を行ってしまいます。典型的な「部分最適の罠」です。