「何も話してくれない」ときの子どもの本音

「みんなで何したの?」「べつに」

「学校の食堂で何食べたの?」「いつもとおんなじ」

親の質問に対して、子どもがきちんと答えてくれないことがあります。こんなとき、子どもはどんな気持ちでどのように考えているでしょうか?

子どもの心の声

 なんて答えればいいの? わたしが何を食べたかがどうしてそんなに大事? もう忘れたし、どうでもいい。お昼がパスタでも、チキンでも。友だちの話のほうが、お皿の中のものより大事。

「どんなだった?」という質問はあまりに漠然としているので、子どもの脳はなんと答えればいいか、どう考えればいいかわからないのです。

しかも、親に報告しなければならないのだと感じると、子どもは口を閉じてしまいます。

子どもの話を聞くためのゆとりを持とう

子どもが何も言わないのは、私たち親が普段から子どもの話を聞くためのゆとり(スペース・時間)をとっていないということでもあるのです。私たちは子どものことを本当によく知っているのでしょうか?

もちろん、サッカーが好きだとか、バスケットボールが好きなこと、サンドウィッチにはサラダ菜1枚とトマト2切れをはさんでほしいことはわかっていますが、本当にわが子について知っているのでしょうか? 子どもの頭の中で何が起こっているか、わかっているでしょうか?

いつもそばにいるのが当たり前になっていて、ただ一緒に生活するだけになっていることが往々にしてあるため、注意が必要です。

アドバイス

 どこかへ行く道すがら、あるいは夕飯の支度をしながら、食事の時、夜寝る時など、できるだけ落ち着いた時間に親子2人で話す時間を作るようにしましょう。

 まずは黙って耳を傾けること。そのあと親も話すことになりますが、これは取り調べではなくて、お互いのことを知るためです。親のほうも今日楽しかったことやイヤだったことを話してください。

 それから「今日何かいいことあった?」とか「今日したことで、やってよかったな、って思えることは何?」とか「今日一番よかったことは?」などと聞いてみましょう。そのあとなら「今日一番つらかったことは?」という話に持っていくこともできますから。