失敗をしないことは成功に結びつかない
ビジネスの世界では、仕事ができる人ほど数多くの失敗をしています。
たくさんの失敗を経験することで、ある意味では「失敗慣れ」していますから、どんな事態に直面しても、動揺したり、落ち込んだりすることはありません。
それは、失敗をしないことが、必ずしも成功に結びつかないことを知っているからです。
失敗を怖がって安全策だけを選択していたのでは、大きな仕事はできません。
「仕事に失敗は付き物」と割り切って、その失敗から何を学べば、成功の手がかりをつかめるか……だけを見つめているのです。
イーロン・マスクの「ファイティング・スピリット」
世界一の大富豪といわれるイーロン・マスクは、失敗を積極的に受け入れてきた経営者の代表格です。「失敗は貴重な学習材料であり、そこから何を学び、どれだけ早く改善策を見つけ出せるかが重要だ」と考えています。
彼が航空宇宙メーカー「スペースX」を設立し、初めて宇宙ロケットを打ち上げたのは2006年のことです。
3回連続で失敗して、「もし次も失敗したら資金が尽きる」というところまで追い詰められました。
個人の資産で売れるものはすべて売り払い、ほぼ無一文という状態になりながらも、落ち込む社員に対して彼はこう宣言しました。
「私はこれまでもこれからも、決してギブアップしない。息をしている限り、生きている限り、事業を続ける」
その執念が実り、最後の資金をかき集めて行った4回目のチャレンジ(2008年)で、ようやく打ち上げに成功しています。失敗を恐れない覚悟があるからこそ、大きな成果を得ているのです。
超一流は失敗を恐れないだけでなく、倒れてもすぐに立ち上がって歩き出す「ファイティング・スピリット」に溢れています。
どんな大きな失敗をしても、必ず自力で立ち上がります。
日本人には、転んだら誰かが助けてくれるまで待つような「甘え」がありますが、それでは誰かに踏みつけられるだけです。人に踏まれる前に自分の力でさっさと立ち上がり、前を向いて歩み出す強さが必要です。
仕事をしていれば、誰でも失敗することはあります。失敗したことに落胆するのは仕方がありませんが、それを「必要悪」と前向きに考えることができれば、その失敗から検討材料を見つけられるだけでなく、ムダに落ち込むことの無意味さも理解できるのです。