やり取りを必要最低限に減らす工夫

超一流のメール術には、もう一つ特徴があります。

「報告はこれこれが終わってからでいいよ」と、次のメールを送るタイミングを先に伝えておくことです。

メールのやり取りが増える原因の一つが、途中経過を知らせる「報告メール」です。細かいプロセスまで確認する必要はなく、段階ごとの進捗状況を把握しておきたいだけならば、明確な区切りをあらかじめ伝えておくことで、お互いに不要なメールを送らなくて済みます。

やり取りを必要最低限に減らす工夫をすれば、メールに時間を取られることから解放されるのです。

仕事が遅い人は、仕事に取りかかるまでが遅い人

ビジネスマンにとって、「仕事が遅い」というのは、「仕事ができない」とイコールの意味を持ちます。

仕事が遅い人は、必ずしも作業のスピードが遅いわけではありません。

そのほとんどは「やる」と決めてから、実際に行動するまでに時間がかかるため、結果として遅くなっているのです。

仕事が速い人は、例外なく仕事に取りかかるまでの時間が短く、すぐに始めることで、素早く作業を終えています。

その違いは、「頭の切り替え方」に理由があると考えられます。

頭を切り替えるというのは、やる気を起こすといった感情の問題ではなく、脳をどのように使うかというイメージの問題です。

パソコンで例えると、仕事が遅い人は頭の中にフォルダーを一つしか持っておらず、あらゆる情報をそこに押し込んでいます。

一つのフォルダーがさまざまな情報で一杯になっていますから、コップに水が満杯になっているのと同じで、新たな水(情報)を注ぎ込むことができません。

つねに容量オーバーを起こしている状態のため、それを処理するのに余計な時間がかかっているのです。

仕事が速い人の脳内で起きていること

仕事が速い人は、頭の中に新規フォルダーを作って、さまざまな情報を適切に分類していますから、情報が混乱することはなく、「やる」と決めた瞬間から素早く動き出すことができます。

超一流の場合は、新規フォルダーを次々と作るだけでなく、処理が終わった情報や、保留する情報は外付けのメモリーに移して保存しています。

頭の中のフォルダーに余力を持たせていますから、いくらでも新しい情報を入れることができます。

さらに、すべてを素早く処理することによって、頭の中を軽い状態に保っているので、処理速度が遅くなることもなく、つねに良好なパフォーマンスができる状態を維持しているのです。

上手に頭を切り替えて、素早く仕事に取りかかるためには、頭の中に新規フォルダーを作り、新たな情報を明確に分類しながら素早く処理する……というイメージを持つことが有効です。