検索のためのキーワードになる「タグ」を付けてエバーノートに保存すれば、分別管理しなくても簡単に情報を探し出せるというふれこみだが「試してみて便利なほうを採用しています」。ITツールの多機能にふりまわされてしまうと、かえって効率が悪くなることを知っているからだ。だから小さな紙のメモ帳も常に持ち歩き状況に応じて使い分けている。

プライベートでは「クレジットカードや公共料金の請求書、銀行口座のステートメント、保険の証書などをPDF化して保管しています。気になった雑誌記事もPDFでスクラップできるので、読み終わった雑誌をすぐに捨てることができるようになりました」。毎年引くおみくじもPDF化してある。「平成17年からライフログの中に残しています。ちなみに今年は末吉でした」。

以前は社外の勉強会などで知り合った人の名刺は名刺箱で死蔵されているだけだった。現在でも仕事関連の名刺は名刺ファイルで管理している。

課題は名刺整理。仕事で交換した名刺は個人情報保護の観点から会社に保管してあるが、そのほかに「個人的に集めた名刺が800枚。現状のエバーノートでは日本語が認識できないので、画像データに名前と会社名のタイトルを付けて管理しています」。完全に日本語対応されれば、強力な人脈データベースになる。

仕事に直接役立っているのは、自社他社を問わず気になった時間貸し駐車場を撮影した画像だ。必要であれば社内の関係者に見せる。「この看板の表示の仕方は目立つとか、ここを改善したほうがいいと、画像で見せれば相手に伝わりやすい」。

エバーノートのような最新のITサービスは提供者側も試行錯誤の最中だから、旧来のサービスのほうが使い勝手がいいこともある。それでも喜多さんがチャレンジするのは「新しいものに触れていないと新しい発想が浮かばない」という思いがあるからだ。