勉強不足でその場の話題についていけないときはどうすればいいか。大手広告代理店で管理職をつとめる後田良輔さんは「お笑い芸人の島田紳助さんがお手本になる。話題の全体を把握していなくても、細部について熱く語ることができれば、その話題に詳しい印象を与えられる」という――。
※本稿は、後田良輔『ミスを最大のチャンスに変えるリカバリーの技術』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
プロ野球に詳しくないのに野球番組を担当していた島田紳助
知っているべきことを知らなかった(勉強不足)
×知ったかぶりした
○そもそもの根本のゴールを確認し、それに基づき対応した
×知ったかぶりした
○そもそもの根本のゴールを確認し、それに基づき対応した
島田紳助さん。ダウンタウンの松本人志さんに、「僕は、この方がいなかったら、今、ここにいないと思います」と言わしめた伝説のお笑い芸人です。彼の特徴のひとつに、「何でも知っている」「賢い」と思われる話術がありました。
しかし本人曰く、「タレントなんて頭悪いし、時間もないし、努力するのも嫌いだし(途中割愛)。一分野につき一カ所を掘り下げて、全部を知っているような顔をすればいい」とのこと。実際、彼は「プロ野球珍プレー・好プレー大賞」という番組の司会を17年やっていましたが、プロ野球のことはほとんど知らなかったそうです。
ただ、周りからはマニアレベルで知っていると思われていました。その秘密は、みんなが知っている選手ではなく、微妙に聞いたことのあるマイナーな選手についてのみ勉強し、熱く語るという手法にありました。
2021年のメジャーリーグでたとえると、大活躍した大谷翔平選手ではなく、別の選手について熱く語るイメージです。人は「えっ? なんでそこ?」という情報があると思わず食いつき、マイナーなものの魅力を熱く語る姿に、「こいつ、めっちゃ詳しい」と思うものです。実は詳しいのはマイナーなことだけで、全体のことは知らなかったとしても。