日本から家族が「消滅」する

1人暮らしの「単独世帯」が急増している。厚生労働省が2022年9月に発表した国民生活基礎調査では、全国の単独世帯は2021年に1529万世帯を超え、過去最高を更新した。

2021年に孤独・孤立対策担当大臣(室)が設置されている
2021年に孤独・孤立対策担当大臣(室)が設置されている。(時事通信フォト=写真)

内閣府の「男女共同参画白書 令和4年版」によると、20年の国勢調査で単独世帯は全世帯に占める割合が38%と最も多かった。今や住宅の10軒に4軒が「おひとり様」なのだ。

一方、00年の同調査で31.9%だった「夫婦と子ども」は25%まで減少している。祖父母、両親、子どもの3代が暮らす世帯は7.7%しかない。

「単独世帯が増える傾向は改善するか」と、私は講演などで質問されることがあるが、単独世帯が減少する兆しはまったく見えない。最大の理由は、若い世代が結婚しないことだ。

「男女共同参画白書」によれば、20代で配偶者・恋人がいない人は、男性の65.8%、女性の51.4%となっている。さらに、20代の独身男性で「これまでデートした人数がゼロ」の人が40%もいるというのだから驚く。女性は25%だ。

20歳から39歳の男女に「積極的に結婚したいと思わない理由」を尋ねると、「結婚に縛られたくない、自由でいたいから」と答えた人は、女性の48.9%、男性の37.0%もいて“結婚離れ”が明らかになった。1人に慣れてしまい、自分のライフスタイルを壊したくないのだろう。