最適な受給開始年齢がわかる「プラス12年の法則」

平均余命まで生きると仮定すると、Aさんは70歳から受給をするのがベターな選択だとわかりました。

しかし、平均余命より前に亡くなってしまうことも、平均余命を超えて生きることも、もちろんありえます。

平均余命は、「あと何年、生きることができるのか」という期待値なので、現在の年齢によって違ってきます。

人それぞれ事情が異なるので、常に70歳からの繰り下げ受給がお得というわけではありません。

そこで覚えておいていただきたいのが「プラス12年の法則」です。

ビデオ通話を楽しむ夫婦
写真=iStock.com/whyframestudio
「プラス12年の法則」で年金がお得に(※写真はイメージです)

これは、年金の受給開始を65歳より後ろに繰り下げた場合、「受け取り開始の年齢に約12年プラスした年齢になったとき」に「65歳から受給開始した場合の総額に追いつく」ということです。

厳密には「11歳10カ月後」に追いつくことになりますが、わかりやすく約12年としました。

この「プラス12年の法則」で考えると、68歳から受給を開始したら、「68歳+12年=80歳」のときに、65歳から受給開始した場合の年金総額に追いつくことになります。

70歳から受給開始した場合は82歳で、73歳から受給開始した場合なら85歳のときに、65歳から受給開始した場合の総額に追いつくのです(税金・社会保険料は勘案せず)。