つまり、どんな複雑なシステムを構築しようとも、お金を貯め込むことに取り憑かれた亡者たちにはあまり効果がないというわけだ。
築き上げた巨大な富から派生する余剰金の大半を寄付しているビル・ゲイツのような「ノブレス・オブリージュ」が真に浸透する世界にならない限り、格差の是正など望めないのかもしれないね。
所得が低い人ほど消費税の負担が高い
国税庁のホームページで「商品・製品の販売やサービスの提供などの取引に対して広く公平に課税される税」だと説明されているにもかかわらず、消費税に対して不公平感を抱いている人は多い。
生活必需品の購入にかかる費用が同じなら、所得の低い人のほうが家計における税負担率は高くなるのが当然なので、「逆累進性」という現象が起こるのは間違いない。
ただ、それ以上に私が気になるのは、例えば1000万円の家を買うのがやっとという人にとっての10%と、1億の家を買える人にとっての10%はまるで重みが違う、という意味での不公平感である。
福祉に使われる消費税はたった2割
もしも消費税というものが、当初約束されていたように福祉のために使われるのなら、巡りめぐって自分に戻ってくる可能性が高いので、不公平感という犠牲を文字通り「払った」としても、無意味だとは言い切れない。
しかし、実際のところ福祉に使ってるのは2割以下であり、残りの8割以上は一般財源に組み込まれてその使い道は煙に巻かれ、いったい何に使われているのかはわからない。
国民の多くが反対するなか、開催を強行した東京オリンピック・パラリンピックのために使われた可能性だってあるというわけだ。