イベントは大規模なもので、グリーンピア大沼の大規模駐車場を会場として、事故が起きた「オールトヨタカートゾーン」のほか、「なかなか乗れない人気のクルマ展示試乗ゾーン」、「はたらくくるま大集合!!」、「グッドイヤーモックカー制作体験ゾーン」、「PIUSキッズエンジニア体験ゾーン」など多彩な催しを開催しており、子ども向けの催しが目立つ。

イベントの「協力」として、トヨタ自動車や複数の地元企業が名を連ねた。消防や警察も「協力」し、消防車やパトカーを展示していた。警察が「協力」したイベントで子どもの死亡事故が発生したわけだ。

身長140センチ以上なら免許なしで運転できた

イベントの目玉は当該チラシによれば、「オールトヨタカートゾーン」と「なかなか乗れない人気のクルマ展示試乗ゾーン」だ。「人気のトヨタのクルマと本格モータースポーツを道南で体験!!」とアピールしている。

では、「オールトヨタカートゾーン」とはどのようなものだったのだろうか。

「本格高速走行コースと保護者の方と一緒に体験できる低速走行コースをご用意!! 味わったことのないスピード感を体験! この機会にモータースポーツにTRYしよう!!」とアピールされている(同チラシ)。

利用基準は身長140cm以上とあるだけで、それ以下だとキッズカート(小学1年生以上、身長120~140cm)または2人乗りカートとなり、2人乗りの場合は運転免許を持った大人が運転することとしている。すなわち、身長が140cm以上あれば子どもが免許もなく運転できることになる。

どのような車を運転できるようになっていたのか。この事故は当初ゴーカートの暴走として報道されているが、実はゴーカートよりさらに強力なエンジンを積んだ高速走行向きのレーシングカートだった。

業務委託を受けたアクトコーポレーションの「新千歳モーターランド」のサイトでは、ゴーカートとレーシングカート(レンタルカート)の違いを説明している。

ゴーカート
写真=iStock.com/flukyfluky
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時速50~90kmが出る仕様

ゴーカートは20~30km/h位の速さで、遊園地によくあるファミリー向けのアクティビティマシンだ。

新千歳モーターランドではレーシングカートをレンタルしていることからレンタルカートと呼んでいるようで、レンタルカートは50~90km/h位の速さが出るとしている(ただし、性能としての数字で速度制限調整をしている場合がある)。座席の高さが地面から数センチほどになっているため、ほとんど高さがなく、体感速度は実際の2~3倍になる。