中古を買ってリノベーションするとき、より自由な間取りを望むなら、マンションのほうが一戸建てよりもお勧めです。壁に配管が通っていて壊せない、管理組合の規約で改装が禁じられているなどのケースもありますが、基本的にすべて壊せるのがマンションの特徴です。マンションの場合、強度に関係する素材は外壁面や隣の部屋との間の壁に入っており、室内の壁をすべて取ってしまっても差し支えないからです。
新築マンションや建売住宅は、多くの人のライフスタイルに合うよう、寝室6畳にリビング8畳など均質化したモデルになっている間取りが一般的です。それも悪くはありませんが、既成品はつまらないと考える人もいるでしょう。
「全体は40平米しかないけど、絶対リビングは14畳ほしい」と思ったら14畳のリビングをつくればいいのです。寝室がなくても、リビングの片隅にベッドを置いてベッドが見えない程度の低い壁をつくることで解決できます。
金額面で新築と比べてどちらが得かということは一概には言えません。ただ、若い世代の人たちが都心に住むとなれば、賃貸を選ばざるをえないことも多いでしょう。シングルの人が都心で家賃15万円のところに10年間住んだとしたら、更新料等を抜きにしても1800万円のキャッシュが自動的に蒸発します。
それならいっそ2500万円の中古マンションを買って、1000万円でリノベーションしてはいかがでしょうか。かかる費用は全部で3500万円です。そこに10年間住んだとして、出ていくときは2500万円でしか売れなかったとしても、差額は1000万円ですから、10年間で消えたお金は賃貸に住んだ場合より安いと言えるでしょう。
しかも自分のこだわりの住空間で充実した暮らしができたからお得だとも言えます。こんなふうに考える方が増えていけば、リノベーションはもっと浸透するのではないでしょうか。