「東大生の友達」はお金に換算するといくらか

こんな話は初めて聞いた、という方も少なくないと思います。というのも学習塾や家庭教師の情報をオープンするメリットは基本的にないので、誰も公言しないからです。こういうビジネスがどうやって成り立っているかというと、主に口コミや知人の紹介で広まっています。

というわけで、次は東大ブランドの2つ目の価値である「人脈」です。

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当たり前の話として、東大に入ったら「東大生の友達」が多く手に入ります。大体クラスが一緒になる友達が30〜40人で、それ以外の部活やサークルで絡もうと思えば1サークルにつき15〜20人。ちゃんと授業に行ってサークルに1つか2つ入っていれば70〜80人は友達ができるはずです。

年間70〜80人の友達ができるとしたら、4年間で300人は友達を得ることができるでしょう。

東大生の友達が将来出世して偉くなった時に面識が活きてくるわけですが、具体的にどんなメリットが生まれるかはケースバイケースで、人脈の力はなかなか説明しにくいものがあります。

なので、下世話な話ですがお金に換算してみましょう。この人脈をお金で買おうと思ったらいくらかかると思いますか?

例えば難関大学卒の男性との婚活マッチングサービスというものがあります。1人紹介してもらうごとに、だいたい5000円の手数料がかかります。難関大学に入らないで300人と知り合うためには5000円×300人で150万円かかる計算です。実は大学で作れる人脈だけで、学費の元は取れてしまっているんですよね。

また、東大生のうち約17%はキャリア官僚になり、いろんな省庁に行くことになります。先ほどと同じ理屈で、これらの人とビジネスマッチングでつながろうと思うと、いくらかかるでしょうか?

優秀な東大生は金を出してでも欲しい

今の日本に官僚とビジネスマッチングできるサービスはありませんが、とある企業の社長さんに「こういうサービスがあったらいくら払います?」と聞いたことがあります。すると「大体1人につき50万は払っていいかな」という回答をもらいました。

将来キャリア官僚になる東大の友人を持つことの金銭的価値を計算すると、50万×300人×17%=約2500万円です。つまり東大で普通に学生生活を送っているだけで、2500万円儲けたことになるのです。

今一つ実感が湧かない人のために、さらに露骨な例を出しましょう。東大生が創業した求人広告会社は、将来有望な学生と企業のビジネスマッチングを実際に行っているそうです。いわゆる青田買いです。そこでこの会社は1件仲介するごとに手数料として1000万円を受け取っているという噂があります。優秀な東大生1人との面識は、市場価値にして1000万円ということですね。

どうです、これだけで東大に行く価値があると思えてきませんか?

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