受験本で30万部が売れると約5000万円の印税収入

まずは1つ目、東大の「頭がいい」というイメージを使ってどれだけ稼げるかを暴露してしまいましょう。

先ほどもテレビやYouTube、書籍などで勉強法を売り出す東大タレントの名前を挙げましたが、僕が所属する会社の代表を務める西岡壱誠がどのようなビジネスモデルで活動しているかを見ていきましょう。

彼は自らの大学受験で培ったノウハウをもとに、2018年に出版した読書術の本『東大読書』で20万部を売り上げ、さらに翌年の2019年には東大ブランドを使って1年間で9冊もの本を出しました。

これがどれくらいのお金になっているか、ざっくりした概算を出してみるとこうなります。

『東大読書』の20万部に加え、ヒット作のおかげで西岡壱誠という著者が有名になり、同じ西岡さんの別の著書も注目度が上がって1冊あたりおよそ1万部程度売れました。10冊合計で約30万部です。

ビジネス書の定価が1冊およそ1500円、印税率が10%なので、30万部×1500円×10%=4500万円の収入になります。これに電子書籍の印税が加わるとだいたい5000万円です。

「東大生は頭がいい」というイメージを活かし、東大生という賢い人間が実践している読書術を本にすることで、5000万円の儲けが出るのです。

東大の頭の良さというパブリックイメージがどれだけお金につながるか、これでご理解いただけたのではないでしょうか。

開いた本の上のコインから生えている植物
写真=iStock.com/baona
※写真はイメージです

「東大生」というだけで出版のハードルは下がる

もっとも、それは西岡壱誠が特殊な文章の才能を持っていただけじゃないか、と思う人もいるかもしれません。

しかし、それは違います。勉強術の本は常に一定のニーズがありますし、特に今は、東大関係の書籍はニーズが高まっています。あなたが東大生として「東大に受かったノウハウをまとめた勉強法の本を出したいです」と出版社に持ち込みに行ったら、話を聞いてくれる出版社が必ず見つかるはずです。その何よりの証拠に、あなたが今読んでいるこの本(『ビジネスとしての東大受験 億を稼ぐ悪の受験ハック』)は、まさに西岡壱誠がプロデュースした東大生の受験本なのです。

とはいえ、「本を書くと言ったって、何を書けばいいのかわからない」という方も少なくないでしょう。ただ、東大生になってしまえば書くべきことはいくらでも見つかります。詳しくは次の「人脈」の節でお教えしましょう。

書籍で何十万部というベストセラーを狙って出すことは簡単ではありませんが、東大生というだけで出版デビューのハードルはぐっと下がります。頑張って宣伝をすれば1万部くらい売れて、100万〜150万円程度の印税を得ることも夢ではありません。

ちなみに東大需要は本に限りません。ネット記事での東大ブランドも圧倒的です。

webメディアではPV数が重視されますが、勉強ノウハウを教えるコラムのタイトルに「東大」の2文字を入れるだけで、そうでない記事に比べて閲覧数が平均50%もアップします。「東大の勉強法だ」というだけで人は読みたくなるのです。

このように、知識産業において東大とは圧倒的なブランドなのです。