日本がこけても、かつてのように世界経済に対する影響はさほど大きくなく、また日本国債を持っている外国機関投資家もさほど多くはないので、金融機関の連鎖倒産の心配もありません。

それにハイパーインフレという方法で、日本国民の財産を政府が実質没収すれば、日本は独自に財政再建ができるのです。わざわざIMF参加国の国民からの税収を使う必要などないのです。日本人は何でも政府等の公に期待しがちですが、厳しい国際社会では、それは常識ではないと思うのです。

「明日から消費税率35%」でも完済に122年かかる

2020年度第三次補正予算後の予算は、コロナ禍のせいで112.5兆円の赤字です。これは、とんでもない額です。翌2021年度の予算補正後は、65.7兆円の赤字です。

税収が史上最高でも60兆円強であることを考えると、これでも、とんでもないほどの異常な額です。日本は、コロナ禍のような異常時だけでなく、30兆〜40兆円の赤字をバブル崩壊以降、30年以上も毎年続けてきたのです。

それを消費税で穴埋めしようとすると、どの程度の増税が必要か、見てみましょう。

消費税率は現状10%で、2020年度で19.2兆円の税収。1%あたり約2兆円の税収です。毎年30兆〜40兆円の赤字を穴埋めしようとすると、40兆円の赤字を埋めるためには40兆円÷2兆円で、消費税率を20%にしなくてはいけない計算になります。

さらに2021年12月末で1218兆円の借金がありますが、これを10兆円ずつ返すとすれば、122年近くかかる計算です。もし10兆円ずつ122年間で返そうとすると、10兆円÷2兆円でさらに5%、「今の消費税率10%+単年度の赤字解消で20%+122年での返済で5%」で明日から消費税率35%が必要です。

こうすれば、なんとか122年で1218兆円の借金が返せます。しかし、ここまで借金総額が大きくなると、支払金利も馬鹿になりません。すぐにではないものの、1%上がると12兆円の支払金利が増えます(1218兆円×1%)。計算するのも嫌になります。

消費増税で借金を返済するのは、もはや不可能だと思います。計算上はできますが、この国でそこまで消費税率を上げるのは政治的に無理だからです。

「借金の踏み倒し=ハイパーインフレ」が最も現実的

2022年度の政府の税収見込みは、所得税20.3兆円、法人税13.3兆円、相続税2.6兆円、消費税21.5兆円です。法人税約30%を2倍にしても、13.3兆円の増収にしかなりません。多くの大企業は海外に逃げるでしょうし、そうなれば下請けはつぶれ、多くの日本人は職を失うでしょう。