国は、最初からインフレで、この膨大な借金を減らそうと考えているのではないかと思います。なんにもわかっていない政治家はともかく、財務省や日銀のエリートたちは、それなりに穏やか(?)なインフレで、借金を実質軽減しようと考えているはずです。

ここまで借金が大きくなると、インフレでの借金返済しか手法はないというのがエラい人たちのコンセンサスだと思います。

7%のインフレを10年継続すれば、借金は実質半分になります。その程度を目指したのでしょうが、財政ファイナンスを行ってしまった以上、日銀はインフレをコントロールするブレーキを失ってしまいました。

サイドブレーキもフットブレーキもない車では、減速はできません。そのうえ、アクセルを踏みっぱなしにせざるを得ない状態なのですから、7%のインフレで終わるわけがなく、どんどんインフレは加速していくと思うのです。

なお、国民にとって地獄でも、ハイパーインフレは究極の財政再建ですから、十分にハイパーインフレが進んでからでないと、政府はハイパーインフレ退治を始めないと思います。

大増税、年金カット、健康保険制度廃止が待っている

「IMFその他は日本を助けてくれるか?」と聞かれれば、「助けてくれる確率は低いだろう」と答えます。2014年頃に財政破綻していたならば、まだダメージが小さく、多少はIMFが援助してくれていたかもしれません。

ただし援助するといっても、大増税、年金カット、健康保険制度廃止、生活保護規定の厳格化など、大きな国民負担が前提となっていたと思います。

重すぎる税負担に腰が曲がってしまうビジネスパーソン
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しかし、ここまで事態が深刻化すると、もはやIMFの援助だけでは不十分でしょう。それに日本の危機は税収以上にばらまいた結果です。本来、日本国民が得られるはず以上のサービス(=歳出)を政府から享受した結果です。政府が無駄遣いしていたとしても、です。

世界にはウクライナのように戦争に苦しんでいる国もあれば、ハイチのように国民の大半が1日1ドル以下の生活を強いられている国もあるのですから、それらの国よりも優先して自業自得の国・日本を、彼らの税金(IMFの援助金の原資も、もともとは他国民の税金)で助ける理由は見つかりません。