打ち手を考えるポイント①「ほかに選択肢はないか?」と何度も問う
先ほどの演習でも、「ほかには? ほかには?」と言ったらけっこう出る。なので、最初はズームインしすぎず、「ほかにはないのか?」とズームアウトする。最初「少子化対策」が出たらそっちにずっといっちゃうんじゃなくて、「ほかにはないのかな。ほかにはほんとにないのかな」というふうに考え続ける。すると、新しい枝を思いつくんですね。
すぐ思いつくものを深掘りする前に、どんどん広げていくと、「植民地」とか「クローン」なんて案が出てくるわけです。現実的ではないかもしれないですけど、発想が少し増えてくる。
打ち手を考えるポイント②目標設定と照らし合わせながら絞る
もう1つ、いちばん大事なポイント。命題、すなわちいちばん最初の目標設定と照らし合わせながら、行ったり来たりしながら絞り込む。
これをやるだけで、情報収集を一切しないで、選択肢が消えます。難しい問題で、時間も限られてて、情報も大量にありすぎる。だからそれができるとスピーディな判断ができ、効率にもつながります。
さらに、さっきのように目標設定があいまいだと、自分でクリアに設定し直すことも必要だ、ということはずっとやってきましたね。
目標設定と解決策が論理的に矛盾する。そりゃダメでしょ、と思いますが、実はこれ、普通にやってて気がつかないことってけっこうあるんですよ。さっきみたいに、なんとなく印象で「出生率を上げる」を選んでしまう。
なので、目標設定をクリアにすることがすごく大事。
今回は「人口」としか書いていないから、いろいろな案が出てくる。これが最初から「日本の労働人口を増やすには」と定義されていたら、たぶんみなさんから「死亡率を減らす」とかの仮説は出てこなかったんですね。もっと移民のほうを深掘りしていたでしょうし、「リタイアする年齢を後ろ倒しさせる=高齢者雇用を増やす」とか、「もっと若いうちからビジネスをさせる=若年雇用や起業促進」などが出てきたはずなのです。
改めて、目指すものを正確に定義することの重要性について感じていただけたらと思います。