調査概要/プレジデント編集部で、日本CHO協会に登録する人事関係者、人材会社関係者約1800人を対象に調査を実施。期間は2010年3月12~19日。有効回答者数は241人。回答者は各業種ごとに、業績などを基に選出した企業の中から1社とその理由を選択。さらに、各業種で選択した企業の中から最も働きがいのある企業1社を選択した。
多店舗展開する小売業では本部と店舗間の意思疎通を欠きやすい。良品計画は、店舗と本部との距離感を縮めるための活動に注力している企業の一つだ。
同社の標準的な店舗では、店長を含む正社員3人とスタッフの計25人前後が働く。仕事がやりやすい環境を整備するため、社内に役員らで構成する「業務標準化委員会」を組織。人事、経理、企画、販売などの各部門の業務を基準書(マニュアル)に落とし込み、全社員・スタッフが情報を共有する仕組みを構築している。
マニュアル化を推進する最大のツールが、全従業員が参加する「顧客視点シート&改善提案」だ。
たとえば店員が売り場で困っていること、オペレーション面で変えてほしいといったことなど身近で発生した質問、改善案を店長を通じてウェブ上で本部に報告する。それらは該当する各部門に振り分けられ、報告を受けた部署は1週間以内に回答することになっている。
ウェブ上に報告する内容は、顧客にこういう商品はないかと聞かれ、誰に聞けばいいかわからない場合、あるいは人事部に対して、各種届の書き方はこうすればいいのではないか、といった細かい質問や提案でもいい。毎週月曜日に1週間分の質問が届き、担当部署は金曜日までに部門長の名前で返事を出すという仕組みだ。