では、リフォームのトレンドにはどのようなものがあるのだろうか。石井氏は、長期のトレンドとして「無垢材のフローリング」「オープンキッチン」「天井までの大きな本棚」などを挙げる。

前出の瀬野氏は、最近は木や漆喰といった自然素材を使ったリフォームが人気という。太陽光発電を導入する人も増えているそうだ。背景には、太陽光発電の装置を設置すれば余った電力を電力会社に売ることができるというシステムがある。いま経済産業省では、このシステムを普及させるため各電力会社に現行の2倍の価格で買い取ることを要請している。石井氏は言う。

「電力会社が2倍の値段で電力を買うことになったら、その分のコストは、一般の人の電気代に上乗せされるわけですよね。それを思えば、太陽光発電を取り入れないのは損だということになる」

とはいえ、発電装置は高額だ。元をとるには15年使い続けないといけないという計算もある。

「お子さんに対して、環境について教育できるという効果も大きいでしょうね」(石井氏)

「みなさん、エコと節約には非常に関心を持っています」とYuu氏もいう。たとえばマンションの窓を二重サッシにする。窓は共有部分なので勝手に工事はできないと思いがちだが、内側にもうひとつ枠をはめることで、簡単に二重サッシにできるのである。リフォーム技術も日々進化しているのだ。

国の政策など追い風が吹いているいま、中古住宅を買って自分好みにリフォームするのも賢い選択と言えそうだ。

※すべて雑誌掲載当時