「写真と実物が違っていた」といってお見合いを断る

お見合い後は、当日ないしは翌日の夕方までに、今後もう一度会うかどうか、つまりは仮交際するかどうかのお返事をする。

レストランでワインを飲んで乾杯する男女
写真=iStock.com/RRice1981
※写真はイメージです

しかし彼女は、土日休みでない彼女の予定に合わせていただき、せっかく組んだお見合いに、どんどんお断りを入れてくる。「写真と実物が違っていた」「結婚を焦りすぎてる」「趣味が合わなそう」などの理由で。

写真は、最高にカッコよく写ったものを掲載するのは当然だし、結婚相談所に登録するのは一日も早く結婚したいからだし、お互いに歩み寄って関係は作るものなのに……。彼女のお断り理由に、釈然としない気持ちはあったものの、美人さんだし、次に会う人とは仮交際を受けるだろうと信じて、お相手の相談所にお詫びを入れる。「せっかく、平日にお見合いいただいたのに申し訳ございません」のひと言を添えてだ。

ちなみに、すべてのお見合いに対し、先方からは仮交際の希望をいただいているのだから、お断りするのは本当に心苦しい。5人目のお見合いまですべて交際をお断りした彼女をオフィスに呼び、もう一度本気で結婚する気があるのかどうか、お断り理由は時間とともに解決していく可能性があるものだから、簡単に断っては、婚活は進まないことを話した。

「そうですよねえ! わかりました!」

良かった! わかってもらえた、と胸をなでおろす。アドバイスに耳を傾けてくれたのか、彼女は仮交際を受けるようになった。が、そのあとが続かない。

「彼女ならすぐに決まるだろう」という印象は消え去った

休みが平日の彼女に合わせてデート日程を組んでくれた男性を、1回目のデートで、次々に交際終了にしたいと言い出す理由に、これまた驚かされる。

「私がタピオカを好きだと言ったら、連れて行ってくれたんですが、すごく美味しいタピオカドリンクを、相手は『微妙じゃない?』って言ったんです。ショックでした」 「デート中に沈黙の時間があったんです」「アニメが好きだって、オタクっぽくてキモイです」「私は韓国旅行に行くのが好きなのに、韓国料理が嫌いと言われました」「洋服はユニクロでしか買わないって言ってました」

彼女は、何かひとつでも気に入らないことがあれば、すべてに「いちゃもん」を付ける。

ダメな原因を人のせいにしか考えられない「他責思考」の女性なのだ。そして、決まって、「いつまでもこんなことを続けるのでしょうか。ただただ、婚活が辛いです」と婚活うつモードのスイッチをオンにする。いったい、どこが辛いのだろう? タピオカを微妙と言われたから? 韓国料理が嫌いだから? 相手は、あなたを傷つけてなんかいないよね? デートの行き先が嫌なら、自分が行きたいところを言えば良くない? いつまでこんなことを続けるって、まだ何にも始まってないよね?

彼女を何度もオフィスに呼んで、話をする。そのたびに彼女は、「はい、そうですよね! 頑張ります!」と可愛いエクボ付きの笑顔で答えて帰っていく。だが、その先もまた同じだ。

デートを2回までした相手は増えてきたものの、「私の靴を可愛いと言われて、バカにされたような気がしました」「ズボンの丈が短かった。無理です」「レストランで彼は私より先に食べ始めたから、彼とは結婚できません」。重箱の隅をつついて、相手の気に入らないことを見つける癖は、一向に直らない。

彼女ならすぐに決まるだろうと思った、初回面談の印象は、どこかに消えた。いちゃもんオンナの婚活に、成婚退会の日は来るのだろうか。