ホストに求めるのは“本当の恋”ではなく“疑似恋愛”

同い年の夫とは、学生時代に知り合い、恋愛結婚で今年で15年目を迎える。話を聞くと、夫婦関係は良好だという。

「ホスト」と「客」となれば、その先には「男女の関係」は避けては通れないのではないだろうか。そんな疑問をぶつけると、いちごチェリーさんはきっぱりと断言した。

「ホストと肉体関係を持ったら、私にとって、それはもう『終わり』です。ホストから『人妻がホストに来るなんて信じられない』と言われたこともありますが、それはまったく違います。私が、ホストに求めているのは“疑似恋愛”。それも、とびきりの疑似恋愛です。

体の関係を持ったら、それはもう『リアル』になってしまう。私が欲しいのは、『トキメキ』オンリーです。疑似恋愛の中でも“本当の恋”に寄っちゃうと『辛い』とか『恋焦がれる』というような感情がわき出てしまいますが、その感情って、切ないじゃないですか。

「無人島に誰かひとり連れていけるなら、夫」

私と夫は結婚してもう長く、子供はいませんが、家庭を壊そうなんて一切考えたこともない。『無人島に誰かひとり連れていけるなら、夫』と即答してしまうくらい、なんでもできる人であり、男性として尊敬もしています。歌舞伎町では、ただ単純に、楽しく遊んで刺激的な体験がしたいだけなんです」

彼女に話を聞くまで、ホストに通う女性たちはみな当然「肉体関係」を求めているのではないかと思っていた。取材前に、いちごチェリーさんのツイッターを見ていても「ホストには男女の関係は求めない」と書かれていたが、「本当なのか?」とも疑問をいだいていたし、SNSという場だからこそ、そういう“てい”をよそおっているのかとも思っていた。

しかし、歌舞伎町らしからぬ純朴な風貌でこちらの目をまっすぐ見て、キラキラした瞳で「少女マンガのような恋愛をしたい」という彼女の様子には「そうか」とこちらを納得させる説得力があった。

いちごチェリーさんは、本命の良人くんと、サブ担のキラオくんというタイプの違う2人の間で、時には、“ライバル”であるお互いの存在をチラつかせ、焼きもちをやかせてみたりと、「ずっと恋愛の始まりのようなキラキラの状態」を楽しんでいるという。