再開発や商業ビルもラッシュ

タワマンだけでなく、ビルの建て替えや再開発も活発化している。

札幌駅南口では、ヨドバシホールディングスなどが、地上35階建て高さ約200メートルの商業施設、オフィス、ホテルなどからなる新複合ビルを2028年度に完成させる計画だ。

また、平和不動産などは、札幌市中心部の大通公園に面した北海道銀行本店が入居する道銀ビルディングと、新大通ビルディングの2つのビルを一体で建て替える。地上34階建て高さ185メートルの新複合ビルは、高級ホテルに加え、オフィスや商業施設が入る予定であり、2028年の完成を目指している。

札幌駅からJR快速エアポートで約9分の「新さっぽろ」でも現在、総事業費約500億円という商業施設や病院、ホテルなどからなる大規模な再開発プロジェクト「新さっぽろG・I街区開発」が大和ハウス工業などによって進行している。I街区にできる地上30階建て高さ約100メートルの分譲マンション「プレミストタワー新さっぽろ」(入居開始2023年7月ごろ)は既に全220戸完売済だ。

ススキノ
写真=iStock.com/winhorse
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札幌初の外資系最高級ホテルが誕生へ

国内外で抜群の知名度のある札幌だが、実は唯一ないものがある。それは、ラグジュアリーな外資系の最高級ホテルだ。宿泊施設は数多くあれど、実は、国内外の富裕層向けの最高級ホテルがなかったのだ。

ミシュランガイド北海道(2017年度)でも札幌に5つ星ホテルはなく、北海道内にはヒルトンニセコビレッジを含め7軒ある4つ星ホテルも、札幌市内にはJRタワーホテル日航札幌の1軒しかない。

日本国内の他の主要都市やリゾート地と比べても、札幌のホテルグレードは正直見劣りする。リッツ・カールトンやパークハイアット、シェラトンやヒルトンもない。かつて新札幌にあったシェラトン札幌は、2014年10月に撤退し、スマイルホテルグループに売却され、現在はエミシア札幌となっている。

しかし、こうした寂しい状況も近々解消される予定だ。

例えば、北海道新幹線の終着駅となる札幌駅。JR北海道が建設中の地上43階建て高さ約245メートルの複合ビルに、米ホテル大手のマリオット・インターナショナルと提携して最高級ホテルを開業させる方針を発表した。客室は約200室、2029年秋の開業予定だ。「ザ・リッツ・カールトン」「セントレジス」「JWマリオット」などマリオットの最高級ブランドのいずれかが進出することになる。

また、NTT都市開発が建設する北海道放送(HBC)旧本社跡地の地上26階の複合ビルは、米ホテル大手のハイアット・ホテルズの高級ブランド「ハイアットセントリック札幌」が全216室で2024年春に開業予定である。

いずれも、最低でも1室1泊5万円前後の宿泊料がかかる、外資系ラグジュアリーブランドホテル(外資系最高級ホテル)が初めて札幌に誕生することになる。